平家物語巻第七|竹生嶋詣22|テキスタイル

【詳細】
製作|2022年
物語|巻第七
人物|平経正
商品|風呂敷(マルチクロス)
カラー|白・黒
ブランド|盛 ※販売終了
詞章|比は卯月中の八日の事なれば、みどんに見ゆる梢には、春の情を惜しむかと疑われ、澗谷の鶯舌の声老いては、初音ゆかしきほととぎす。折知り顔に告げ渡り、松に藤波さきかかって、まことに面白かりければ、経正いそぎ船より下り、岸にあがり、この嶋の景気をみたもうに、こころも言葉も及ばれず。

商品動画|竹生嶋詣(2022年制作)
平曲|須田誠舟
デザイン・撮影・編集|盛典

デザインエピソード(2022年)
見えない何かを推し量る
今回は竹生嶋詣から経正さまが竹生島を訪れた場面をデザインしました。向きを変えて結ぶと模様の出方が変わるので包み方をいろいろ変えて楽しんでいただければ嬉しいです。平曲では”三重(さんじゅう)”と呼ばれる高い音域の音を出す曲節で表現されている場面で、私はまだきちんと声が出ないので、曲の中に出てくる鶯のように練習に励んでいます。口に出したり音を耳にするうちに景色や気持ちを自然と想像するようになりました。私にとってこの曲は、見えない何かを推し量る想像力を育んでくれます。竹生嶋詣は経正さまが竹生島を出ていくところで終わるので、練習していると寂しくなることもしばしば。私は島側に居て離れていく経正さまを見送っているような、まるで物語の中に入り込んだような不思議な気持ちになります。

PAGE TOP