平家物語巻第九|宇治川(佐々木&梶原モデル)|テキスタイル

【詳細】
製作|2022年
物語|巻第九「宇治川先陣」
人物|佐々木高綱・梶原景季
商品|風呂敷(マルチクロス)
カラー|白・黒
ブランド|盛 ※販売終了
詞章|ここに平等院の丑寅、橘の小島が崎より武者二騎ひっかけひっかけ出できたり。一騎は梶原源太景季、一騎は佐々木四郎高綱なり。人目には何とも見えざりけれども、内々先に心をかけければ、梶原は佐々木に一段ばかりぞすすんだる。佐々木「いかに梶原殿、この河は西国一の大河ぞや。腹帯の伸びて見えそうは、しめ給え。」と言いければ、梶原さもあるらんとや思いけん、手綱を馬のゆがみにすて、左右の鐙を踏みすかし、腹帯をといてぞしめたりける。佐々木その間にそこをつっとはせぬいて、河へざぶとぞうちいれたる。梶原たばかられんとや思いけん、やがて続いてうちいれたり。梶原「いかに佐々木殿、高名しょうとて不覚し給うな、水の底には大綱あるらん、こころえ給え」と言いければ、佐々木げにもとや思いけん、太刀を抜いて馬の足にかかりける大綱どもをふつふつとうちきりうちきり、宇治川はやしといえども、いけずきという世一の馬には乗ったりけり、一文字にざっとわたいて、向かいの岸にぞ着きにける。梶原が乗ったりけるするすみは川中よりのためがたにおしなされて、はるかの下よりうちあげたり。
商品動画|宇治川先陣佐々木梶原モデル(2022年制作)
平曲|須田誠舟
デザイン・撮影・編集|盛典








デザインエピソード(2022年)
宇治川は新型コロナウイルス感染症が流行する前に学んだ曲です。様々な場所や繋がりが遮断される中、自室で師の音を繰り返し聞いて声に出していました。もっと息を吐きたい、もっと大きく声を出したい、もっともっと。やり場のない悲しみや閉塞感を感じていたのを覚えています。
まだ何も歌う(語る)ことはできませんが、平曲を学ぶことがとにかく楽しい。平曲の楽しさもそうですが自己研鑽の大切さに気付かせてくれた師がいなければ、私は盛のデザインを手掛けることもなかったでしょう。古典に携わることも、携わっている方の何かのお役に立ちたいと思うこともなかったかもしれません。学びながら、様々なかたちで表現しながら、もっと師と一緒に平家物語を旅したい。そう強く思っています。