平家物語巻第七|忠度都落|テキスタイル

【詳細】
製作|2022年
物語|巻第七
人物|平忠度
商品|風呂敷(マルチクロス)
カラー|白・黒
ブランド|盛 ※販売終了
詞章|前途程遠し思いを雁山の夕べの雲に馳す
商品動画|忠度都落(2022年制作)
平曲|須田誠舟
デザイン・撮影・編集|盛典








インスピレーション
日本の古典「平家物語」巻第七の忠度都落を題材に、テキスタイルをデザインしました。高らかに聞こえる声。旅立つ自分の行く末を夕べの雲に馳せた、勇ましくも悲しく美しい去り際。去る側と送る側の気持ちが交錯する場面を枝葉の隙から覗くように描きました。

デザインエピソード(2022年)
私は数年前に平曲と出会い、かけがえのない師と出会いました。新型コロナウイルスによるさまざまな環境変化も重なって、自分のこれからを考えたとき、平曲を生涯学び続けようと決めました。今はまだ声もきちんと出せませんし、譜と師の音を辿るので精一杯です。
盛で手掛けるデザインは私が実際に学んでいる平曲です。平曲は一曲ごとにさまざまな節回しで構成されていて、声に出すと物語で読むのとは異なる感動が体中に広がります。盛では平曲の中でも印象的な部分を選んで文字を書き起こしデザインしています。声に出すことも含めてデザインとしているので、口ずさんでいただけたら嬉しいです。
まだ数曲しか学んでいませんが、いちばん最初のデザインは忠度さまにしようと決めていました。私は普段、製作などで根詰めてしまうと食が細くなり体調を崩すのですが、忠度都落を歌うとお腹が空きます。食べても食べてもお腹が空くので、身体に何か起こっているのではと病院で検査をしたところ、まったく異常はありませんでした。主治医から結果を聞く瞬間に忠度さまが舌を出して「もっと食べろ盛典。」と笑ったような気がしたのを覚えています。そんな可愛らしさで出てくるはずはないのですが何かが極まったのでしょう、大泣きしました。大変なとき苦しいとき、私には平曲がありました。他に学んだどの曲よりもいち早く筆が進んだのはこの曲でした。