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今日は10月8日(火)の小さな演奏会「あのひとのうた|『海道下』」のご案内です。後半で9月10日に開催した「あのひとのうた|『横笛』」開催報告もお届けします。
・開催概要
「あのひとのうた」は平家物語の中の歌の部分を、平家琵琶の伴奏で語る15~20分程の小さな演奏会。10月は『海道下』からふたつの歌を語ります。
【内容】
平家物語巻第十『海道下』より
「旅の空赤土の小屋のいぶせさに故郷いかに恋しかるらん」
「故郷も恋しくもなし旅の空都も終の住家ならねば」
海道下りは源氏に捕えられた平重衡が、頼朝の命で鎌倉へ向かう道中のお話で、道中の景色とともに様々なことに思いを馳せる重衡の様子が描かれます。途中の池田の宿で熊野の娘侍従の元に宿泊するのですが、侍従は重衡がこのような場所に居ることに思いを馳せて一首の歌を詠みます。そして重衡も返歌を読みます。後にこの娘について聞くと、屋島の大臣殿(平宗盛)から最愛を受けた者でした。老いた母のため、暇乞いをしましたが許されず『いかにせん都の春も惜しけれど、なれし吾妻の花やちるらん』と歌って都を後にした海道一の名人でした。その後も重衡の鎌倉への旅は続いていきます。
『海道下』現代語訳全あらすじはこちら
https://morinorijapan.com/tale-of-the-heike/kaidoukudari
・日時と場所
あのひとのうた|平家物語巻第十「海道下」
日程:2024年10月8日(火)
時間:10:40~11:00 開場10:30
演目:平家物語巻第十『海道下』
タイプ:演奏会(冒頭に短い現代語訳解説後、演奏を聞く。)
料金:無料
入庵料がかかります(町内110円、町外310円)
お申込み:不要(直接会場へお越しください)
【会場】
大磯町鴫立庵(大磯町指定有形文化財)
神奈川県中郡大磯町大磯1289
JR大磯駅より徒歩7分
https://www.nem-shiteikanri.jp/shisetsu/shigitatsuan/index.html
大磯町鴫立庵
平安末期の歌人・西行法師の歌『心なき身にもあはれは知られけり鴫立沢の秋の夕暮』大磯あたりの海岸を吟遊して詠んだといわれるこの歌に由来する鴫立庵は、江戸時代初期に小田原の崇雪が鴫立沢の標石を建て、石の五智如来像を運んで草庵を結んだことから始まりました。三百年以上続く日本三大俳諧道場の一つです。
・開催報告(9月10日)
9月10日は平家物語巻第十『横笛』からふたつの歌を語りました。鴫立庵の皆様、運営の皆様、新しい学びの機会をありがとうございました。また熱い中遠くから足を運んでくださった皆様、まだまだ拙い語りを熱心に聞いてくださって本当にありがとうございました。引き続き励みます。
会場の鴫立庵控室への入場は10時30分とさせていただいていますが、鴫立庵さんのご厚意で、10時過ぎから歌の前後の部分を声出ししています。準備中のためご挨拶や解説は行えませんが会場に早く着いてしまった方、平曲が気になる方はどうぞお気軽にお入りください。
天候や災害等の注意情報により変更になる場合もございます。何卒ご容赦ください。それではお会いできるのを楽しみにしています。
・平曲『横笛』一部音声
※音量にご注意ください
時間:3分16秒
録音:2024年8月27日
音源:那智の沖にて(本番音源)
語り
「剃るまでは恨みしかども梓弓まことの道にいるぞうれしき」横笛が返事に「剃るとても何か恨みん梓弓引きとどむべき心ならねば」