SAKAIシリーズ|境をめぐるインスタレーション構想

SAKAIシリーズは、盛典による平家物語を主題とした長期的なインスタレーション計画です。盛典自身が素材や空間構造の異なる章を通じてインスタレーションを制作するとともに、「あちらとこちら」の諸行無常の境を背景に平曲を語ります。各作品は、境を示す物質(布・膜・光など)を媒介に、語りの痕跡を「あちらからこちらへ」繋ぐ試みです。
▶平家物語・平曲を題材にした演目一覧はこちら

SAKAI-00
NONE ― 裸の場 / The Bare Chamber
唯一、“何もない”こと自体を作品とする章。素材を持ち込まず、会場の地肌そのものを響かせ、
空間を「裸の場」として提示します。
- 素材:なし
- 構造:空間そのものを作品化
- 象徴性:基層/原点/空(くう)
- 関連作品:近日公開

SAKAI-01
MAKI ― 展かれる物語 / Unfolding Story
反物を吊るし、巻物が開かれるように物語を展開する展示。平家物語を象徴する布を空間に縦断させ、あちらとこちらの境を表現します。
- 素材:反物・紐
- 構造:吊るし構造による展開
- 象徴性:物語の展開/歴史の織り/栄枯盛衰
- 関連演目:終わりの六代
終わりの六代特集ページ
終わりの六代インスタレーションノート

SAKAI-02
VINYL ― 境界の膜 / Membranes at Random
ランダムに張られた透明なビニール膜により生まれる偶発的な透過・遮断。膜による命の境界を可視化する試みです。
- 素材:ポリエチレンシート
- 構造:膜を垂直水平にランダム配置
- 象徴性:膜/境界/此岸と彼岸
- 関連作品:近日公開

SAKAI-03
TAGGING ― 言葉の痕跡 / Traces of Voices
物語の一節をポリエチレンシートに手書きし、声の痕跡や語りの軌跡を空間に刻む展示。文字は筆圧や呼吸の記録として、語り手の身体性を映し出します。
- 素材:ポリエチレンシート、油性マーカー
- 構造:吊られた膜に文字を刻む
- 象徴性:声の痕跡/言葉の軌跡/人物の印
- 関連演目:近日公開
SAKARO05インスタレーションノート
GIONSHOJA25インスタレーションノート

SAKAI-04
SEA ― 波の布景 / Clothwaves
大量の布を波打たせ、海原のような揺らぎを生む展示。布のうねりは、記憶や心の波、終末を象徴します。
- 素材:布
- 構造:連続させ、波打たせる
- 象徴性:海/記憶の揺らぎ/終末
- 関連演目:近日公開

SAKAI-05
LIGHT ― 閃きの影 / Shadows of Light
対象物に投光し、光と影を対置させ、救済と忘却のあわいを描きます。
- 素材:投光機
- 構造:光と影の交錯を設計
- 象徴性:光=悟り/影=死と忘却
- 関連作品:近日公開

演目と作品の違い
関連演目-平曲を元に構成された物語・演奏会など「演目」
関連作品-インスタレーション作品・映像・ノートなど「制作物」
今後の構想
SAKAI-06以降では、「石」「糸」「水」「音」など、境のさらなる変化を探る章を構想しています。