【次回の演奏会】11月26日(火)「最期の海、壇ノ浦。」▶

初めての方へ


ようこそお越しくださいました。
ここは、平家琵琶奏者盛典の公式サイトです。平曲(平家琵琶の伴奏で平家物語を語るもの)の小さな演奏会や講座を行っています。

琵琶が好き・興味がある方へ
平家物語をテレビで見た、アニメで琵琶が登場した、琵琶の音色が気になる方は、番組のエンドクレジットに掲載されている奏者の名前で検索することをおすすめします。また、平家物語を演奏している琵琶は平家琵琶ではなく、筑前琵琶や鶴田流琵琶であることが多いです(平家琵琶以外の琵琶で演奏される平家物語にも魅力が沢山あります)。日本唯一の琵琶楽総合実演家団体「日本琵琶楽協会」のサイトをご覧いただくと、様々な琵琶や演奏会の情報を得ることができます。

▶日本琵琶楽協会サイトはこちら(遷移します)
https://nihonbiwagakukyokai.jimdofree.com/

平曲を奏でる平家琵琶
平家琵琶は、『平家物語』を語るために用いられる琵琶です。四絃五柱で、雅楽琵琶に似ていますが、やや小振りで撥の角が鋭いのが特徴です。口伝や墨譜によって伝えられた平曲(平家琵琶の伴奏で平家物語を語るもの)を演奏します。平家琵琶は詞章の前後にささやかに奏でられるのが特徴です。

『平家物語』は平家滅亡後に様々な人物や場所で編纂され、成立には諸説あり、複数の異本が存在します。一説によると、叡山の慈鎮和尚のもとに身を寄せていた信濃前司行長に『平家物語』を書かせ始め、そこに僧侶や関係者の伝承が加わったとされています。雅楽に通じていた行長と、天台声明に秀でていた慈鎮和尚が協力して『平家物語』を語りもの風に仕立て、それを盲僧の生仏に語らせたことが、平家琵琶による語りものの『平家物語』の始まりと言われています。

他の琵琶との違い
薩摩琵琶や筑前琵琶は琵琶の種類が異なります。平家物語以外の曲も多く、平家物語だけを語るものではありません。また、平家物語を演奏するときはそれぞれの琵琶・流派ごとに作曲されたものを用いるので平曲とは異なります。それぞれの琵琶ごとに魅力がありますので、演奏会やyoutube等で様々な琵琶の音色に触れていただけたら嬉しいです。


薩摩琵琶(薩摩琵琶正派)
薩摩琵琶は、約五百年前に島津忠良(日新公)によって始められました。日新公は、盲僧が祭具として用いていた琵琶を改良するように寿長院に命じ、自ら「武蔵野」「迷悟もどき」「花の香」など、仏教や儒教の教えを基調とした歌を作ったと伝えられています。また、先祖の武勇を後世に伝えるための歌や、泰平の世を謳う歌も様々な人物によって作られていきました。古薩摩琵琶歌には、「崩」「長歌」「端歌」といった種類があります。薩摩琵琶は戦陣で奏でられることもあり、やがて武士たちによって親しまれるようになりました。明治時代には、鹿児島の名人たちが東京や関西へと向かったため、その弾奏が多くの人々に広まりました。薩摩琵琶は、四絃四柱の大型楽器で、柱と柱の間の絃を強く押さえて音を出します。大型の撥を使って力強く叩き弾き、歌の合間に旋律を長短自在に奏でます。歌唱は力強く、雄叫びのような表現を特徴としており、男性の奏者が多い傾向にあります。


筑前琵琶
明治中期に筑前盲僧の流れを汲む橘智定(橘旭翁)が、薩摩琵琶の教えを受け、筑前盲僧琵琶を改良し、三味線の要素を取り入れて新しい琵琶音楽を作り出したと言われています。三味線音楽の要素が加わっているため、歌とともに琵琶の伴奏が入る部分があります。筑前琵琶は、胴に桐板を用いることで柔らかな音色を特徴とし、四絃と五絃のものがあります。また、撥も小型です。薩摩琵琶に比べ、曲調は穏やかで、女性の奏者が多い傾向にあります。

錦心流琵琶
薩摩琵琶系統の一種である錦心流琵琶は、永田錦心氏によって明治三十年台に創設されました。少年期に薩摩琵琶の名手、家弓熊助氏の演奏を聴いたことがきっかけとなり、後に肥後錦獅氏や永江鶴嶺氏のもとで琵琶の技法を学んだ永田錦心氏は次第に頭角を現し、当時の大衆に受け入れられる高度な琵琶楽を目指し、長唄など他の邦楽を参考にしながら様々な研究を重ね、優雅な響きを持つ錦心流琵琶を完成させたと伝えられています。錦心流琵琶は薩摩琵琶に比べて語りは優雅で、撥の扱いも穏やかです。

錦琵琶
錦心流琵琶の創始者である永田錦心氏の発案を基に、水藤玉水(後の錦びわ宗家、水藤錦穣氏)が実践と改良を行い、五弦五柱の錦琵琶と演奏方法が生まれました。

鶴田流琵琶
水藤錦穣氏の門下であった鶴田桜玉(後の鶴田流琵琶宗家、鶴田錦史氏)が錦琵琶にさらに改良を加え、新しい演奏方法を開発したとされています。

琵琶についての説明は以下を参照いたしました。
薩摩琵琶 越山正三著・江戸以前 薩摩琵琶歌 島津正著

独特な語りが魅力の平曲
平家物語といえば『祇園精舎』や『那須与一』『敦盛最期』『壇ノ浦合戦』などがよく知られています。筑前琵琶や鶴田流琵琶などの演奏で聞いたことがあるかもしれません。私が学んでいる平曲(平家琵琶の伴奏で平家物語を語るもの)は、平家琵琶と平曲の墨譜を用いています。

私の認識が不十分ですが簡単にお伝えすると、平家物語は記録や説話を集め寺院で書写され、読み物として見る・読む形の平家物語(読み本)となって伝わったものや、盲目の琵琶法師達などによる語りで聞く形の平家物語(語り本)として伝わったものがあります。※成立や編集は諸説あります

読み本・・・延慶本・長門本など
語り本・・・覚一本など

平曲は鎌倉時代から盲目の琵琶法師たちによって口伝で伝承されてきました。時代背景や様々な理由によって墨譜が整えられ、その後、全国各地の研究者や伝承会、奏者などあらゆる方が携わって今日に残っています。平曲の調弦や語り方も知識や記録、口伝を経て様々な形があります。

薩摩琵琶や筑前琵琶などの演奏で用いられている譜面は平曲の墨譜ではなく、各流派や奏者の方々が平家物語に独自に節を付けているので言葉が分かりやすく、演奏が華やかで景色を思い浮かべやすい特徴があります。

一方で、墨譜を読み解いて語る平曲は、言葉が分かりづらく、平家琵琶の演奏も素朴で短く景色が思い浮かびにくいかもしれません。ですが、登場人物の嘆きや、霞む景色、相手を思って詠む歌、唱えられるお経など、物語の文字に沿って譜が振られているので、様々な場面の“語り”に独特の魅力があるのではないかと私は思っています。

私は薩摩琵琶正派・平家琵琶奏者の須田誠舟氏に師事し、平曲を学んでいます。平曲や平家琵琶は神社やお寺、研究発表会以外では目にする機会が少ないかもしれません。伝統を守る方々に敬意を払いながら、私自身は学びの一環として平家物語の魅力を知っていただく小さな演奏会や講座を2024年から行っています。



当サイトのページをご紹介します。

【平家物語現代語訳】
演奏会で語る平曲を、譜面を元に現代語訳にしています(原文・譜面は掲載していません)。一覧は下記リンクからご覧ください。随時更新中です。
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私たちが行っている演目一覧です。演奏会のタイトルごとに異なる構成で平曲(平家琵琶の伴奏で平家物語を語るもの)を行っています。演奏会・講座の内容に掲載されている演目の詳細はこちらをご覧ください。
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