声で紹介
このページの内容を盛典の声で聞く
※音量にご注意ください
開催報告
2024年7月18日に藤沢市藤沢公民館・労働会館等複合施設Fプレイスで「少し怖い平家物語|巻第四『鵺』」を開催しました。
今回は初めて貸し切りとさせていただきました。本当にありがとうございました。また、お問い合わせいただいた方にはお詫び申し上げます。申し訳ありませんでした。『鵺』の演奏はしばらく予定がありませんが、ご要望がありましたら検討いたします。
今年後半に予定している演奏会は会場の都合上、貸し切りが出来ませんが「勉強会で演奏してほしい」「歴史や文化学習に役立てたい」等ご要望がありましたら、ご相談を承りますのでお気軽にお問い合わせください。
Fプレイス多目的室2
座って聞く40分の短い演奏会。プロジェクターを使って現代語訳をご覧いただきながら語りました。
演奏時の装い
生成色の袴・青緑の帯・卵色の色無地
当日の構成
1:平家物語と琵琶の話
2:現代語訳と語り
3:まだ生きているのかもしれない
最初に平家琵琶と平家物語について少しお話をしました。私が語りに使うのは平家琵琶で、墨の譜面を読みます。平家物語の話は同じでも、演奏する琵琶が異なれば楽譜も演奏も歌詞も異なっているので魅力は無限大!色々な琵琶の音に触れていただけたら嬉しいです。
平家物語巻第四の『鵺』は、源頼政の生前の活躍を描いた物語です。頼政は以仁王と平家打倒を企てて軍を起こしますが、当時の平家の勢力には及びませんでした。後に平家打倒に影響を与えたとも言われる軍は敗北に終わりますが、平家物語では軍の敗北後、頼政の過去の活躍話として『鵺』が語られます。
頼政は物語の中で、歌を詠み、変化の物を退け、文にも武にも優れた人物として描かれます。平家物語には、軍が終わった後や誰かが亡くなった後に、その人の過去が描かれる場面が度々あります。そこに注目して平家物語を読むのもおすすめです。例えるなら(飛躍していますが)、夏の甲子園の戦いが終わった夜に放送される番組で、敗者にも物語があることを知るような感覚です。平家物語には敗者に眼差しを向ける場面が様々なところで見られます。
さて、今回の演奏会は頼政が変化の物を射落とす場面を、現代語訳をご覧いただきながら語る形にしました。前回この会場で行った演奏会「義経の声|ショートパフォーマンス版」でプロジェクターをお借りしていたので今回はスムーズに展開ができました。
藤沢市後援「義経の声|ショートパフォーマンス版」
開催報告はこちら
https://morinorijapan.com/concerts/event-report-yoshitsunenokoe-20240618
今回用意したスライドが微妙に怖くて。真っ暗にすると本当に怖くなりそうで、明かりをつけたまま穏やかに進めました。引き続き平家琵琶も語りも現場の課題が山積です。スライドを使用する際の文字の大きさや見やすさにも、多くの改善点が見つかりました。
演奏会の最後のスライドはこちら。
少し怖い平家物語は、途中現代語訳のあらすじを入れながら語るのでそれほど怖くはないかと。ただ、平家琵琶を持って墨譜を読んで語ったときに感じる違和感をお話しています。この話の方が少し怖いかもしれません。皆さんが怖いと感じる平家物語はありますか?私は2024年地点ではお寺が燃える話がとても怖いです。
今年の藤沢Fプレイスさんでの小さな演奏会は終了いたしました。遠くから足を運んでくださった皆さん、Fプレイスさん、本当にありがとうございました。また来年もどうぞよろしくお願いいたします。