2025年7月6日(日)東京・築地の社会教育会館 第三和室にて、薩摩琵琶正絃会(さつまびわせいげんかい)の月例演奏会が開催されました。
今回は、2020年2月以来、実に5年ぶりの開催となりました。門下生の久しぶりの再会ということもあり、場には程よい緊張感と、あたたかな空気が溢れる一日となりました。
初参加の車窓から
私は今回、初めて正絃会に参加させていただき、平曲『宇治川』と薩摩琵琶『武蔵野』を弾奏いたしました。故人録音演奏で池田天舟先生の『武蔵野』をお聞きいただいたあとで、私の拙い『武蔵野』だったのでもう緊張でブルブル……舞台の上のことはあまり覚えていないのですが、後で先輩方からアドバイスを沢山いただけて自分の課題が明確になりました。また、今回から事務や裏方の業務も担当させていただいています。運営の中に関わらせていただく経験はとても貴重で、先輩方の工夫を引き継いでいけたらと思っています。

ご来場の皆様へ
当サイトをご覧になってご来場くださった皆様へ、きちんとご案内ができなかったことを心よりお詫び申し上げます。また、初めての会で演目の歌詞が分からなかった方も多かったのではないかと思います。申し訳ありませんでした。今後、歌詞カードまたは解説プリントなどの配布について、師匠と相談しながら検討してまいります。ご興味が続くようでしたら、ぜひ次回もお越しくださいませ。心よりお待ちしております。
次回の開催について
次回の正絃会は2025年9月を予定していますが、会場の抽選結果によっては開催見送りとなる場合もございます。決まり次第、各方面よりご案内いたします。暑いなかご来場いただきました皆さま、本当にありがとうございました。
諸先輩方へ
今回お会いできた諸先輩方、琵琶のことも琵琶以外のことも引き続きご指導のほど、どうぞよろしくお願いいたします。今回お会いできなかった諸先輩方も、お会いできる日を楽しみにしております。
師匠へ
いつもありがとうございます。諸先輩方と大きな声で元気よく沢山学び、汗をかきます。引き続きご指導ください。
【薩摩琵琶正絃会とは】
薩摩琵琶正絃会は、薩摩琵琶を愛する門下生たちが集い、築地の会館で定期的に演奏を重ねてきた同好の集まりです。会の始まりは大正五年。後に鹿児島県無形文化財保持者となった名人・池田天舟先生とその義兄・辻靖剛先生によって創設されました。戦時中の一時的な中断を経て、戦後すぐに復活し、九十年以上にわたり月に一度の演奏会を絶やすことなく続けてきました。 2020年春より新型コロナウイルス感染症の影響を考慮し、一般公開の演奏会は一時休止となりましたが、その間も薩摩琵琶の灯を絶やすことなく、非公開での稽古を地道に続けてきました。2025年7月より正絃会を再開します。演奏会では門下生数名による独演を行い、会の締めくくりに鹿児島に古くから伝わる器楽曲「門琵琶(かとびわ)」を合奏します。この正絃会の形は、これからも変わらず受け継がれていきます。 現在、正絃会の会員は二十名ほど。大学生から八十代の古老まで、職業や経験もさまざまな仲間が集い、元気よく声を張り上げ、薩摩琵琶の響きと共に歩んでいます。 「倦まず、怠らず、継続することが大切」——辻先生の教えを胸に、正絃会は今日も歩みを続けています。
薩摩琵琶正絃会
https://www.sudaseishu.com/satsumabiwaseigenkai.html