声で紹介
このページの内容を盛典の声で聞く
※音量にご注意ください
今日は8月13日(火)に予定していた小さな演奏会「あのひとのうた」の未開催報告です。8月9日に南海トラフ巨大地震注意が発表されたことを受け、8月13日の演奏会を急遽中止しました。大変残念でしたが、1週間程度注意が続くとのことでしたのでこの決断に至りました。関係各所の皆様にご迷惑をおかけすることとなりましたことを心よりお詫び申し上げます。
今のところ9月・10月の「あのひとのうた」は開催予定です。状況によって変更になる場合もありますのでその際は何卒ご容赦ください。
9月の「あのひとのうた」は平曲『横笛』
https://morinorijapan.com/lecture-and-performance/20240910
10月の「あのひとのうた」は平曲『海道下』
https://morinorijapan.com/lecture-and-performance/20241008
どちらも事前申込は不要です。直接会場へお越しください。
未開催報告
8月13日(火)あのひとのうた
平曲『一門都落』
8月13日に予定していたのは『一門都落』
「あのひとのうた」は平家物語の中の歌の部分を、平家琵琶の伴奏で語る15~20分程の小さな演奏会です。8月13日の「あのひとのうた」は『一門都落』を予定していました。平家一門が煙の立ち上る都を背に西国へ下っていく場面から、平中納言教盛の「はかなしな主は雲井に別るれば宿は煙と立上るかな」、修理大夫経盛の「故郷を焼野の原とかえりみて末も煙の浪路をぞゆく」のふたつの歌を語る予定でした。
この平曲『一門都落』はお盆やお彼岸のときに必ず声に出すようにしている物語です。平家一門が自分たちの住まいに火を放って、都を背にする悲しさを思うと胸がぎゅっとします。
『一門都落』では、落ち行く平家は誰々ぞ~と、都を出る一門の名前が読み上げられたあと、平時忠が祈ります「南無帰命頂礼八幡大菩薩願はくは君を始めまいらせて我等を今一度故郷へ帰し入れさせ給へ」。後ろを見れば焼け野原に煙が細く立ち上っています。それを見て平中納言教盛が「はかなしな主は雲井に別るれば宿は煙と立上るかな」、そして修理大夫経盛が「故郷を焼野の原とかえりみて末も煙の浪路をぞゆく」と詠みます。
平家一門はこの後揃って故郷へ帰ることは叶いませんでしたが、お盆やお彼岸に平曲を語ることで、平家の皆さんの気持ちが少しでも故郷へお帰りになれるといいなと思っています。
音声:
平曲『一門都落』より
平中納言教盛「はかなしな主は雲井に別るれば宿は煙と立上るかな」
修理大夫経盛「故郷を焼野の原とかえりみて末も煙の浪路をぞゆく」
※音量にご注意ください
時間:3分16秒
録音:2024年8月12日
次回
9月10日(火)
あのひとのうた|平曲『横笛』
平家物語巻第十「横笛」より
「剃るまでは恨みしかども梓弓まことの道にいるぞうれしき」
「剃るとても何か恨みん梓弓引きとどむべき心ならねば」
平家物語巻第十『横笛』あらすじ
平維盛は都に残した家族への想いが募り、平家一門が居る屋島を密かに抜け出しました。ですが、都に上って捕らわれてはならないと葛藤し、高野山へと向かいます。そこにはかつて愛した女性、横笛に想いを寄せながらも、家族の反対に遭い仏道へと進んだ滝口入道(斎藤滝口時頼)がいました。
『横笛』現代語訳全あらすじ
https://morinorijapan.com/tale-of-the-heike/yokobue-nachinookinite
【演奏会について】
10月の「あのひとのうた」では平家物語巻第十『横笛』で出家をした横笛に滝口入道が歌を送る場面から、滝口入道「剃るまでは恨みしかども梓弓まことの道にいるぞうれしき」と、横笛からの返事「剃るとても何か恨みん梓弓引きとどむべき心ならねば」、このふたつの歌を平家琵琶の伴奏で語ります。
この演奏会は歌の部分だけの15分~20分程の小さな演奏会です。会場(控室)の開場は10時半とさせていただいていますが、鴫立庵は9時から開場していますので準備する音や声が漏れているかもしれません。また天候や災害等の注意情報により変更になる場合もございます。何卒ご容赦ください。
開催日時案内
あのひとのうた|平家物語巻第十「横笛」
日程:2024年9月10日(火)
時間:10:40~11:00 開場10:30
※15分程の演奏会です
演目:平家物語巻第十「横笛」
タイプ:演奏会(冒頭に短い現代語訳解説後、演奏を聞く。)
料金:無料
入庵料がかかります(町内110円、町外310円)
お申込み:不要(直接会場へお越しください)
【会場】
大磯町鴫立庵(大磯町指定有形文化財)
神奈川県中郡大磯町大磯1289
JR大磯駅より徒歩7分
https://www.nem-shiteikanri.jp/shisetsu/shigitatsuan/index.html
大磯町鴫立庵
平安末期の歌人・西行法師の歌『心なき身にもあはれは知られけり鴫立沢の秋の夕暮』大磯あたりの海岸を吟遊して詠んだといわれるこの歌に由来する鴫立庵は、江戸時代初期に小田原の崇雪が鴫立沢の標石を建て、石の五智如来像を運んで草庵を結んだことから始まりました。三百年以上続く日本三大俳諧道場の一つです。
それでは会場でお会いできるのを楽しみにしています。