開催報告|DAY1|木曽義仲は振り返る|平曲『木曽最期』演奏会

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2024年6月25日に「木曽義仲は振り返る|平家琵琶で聞く平家物語|巻第九『木曽最期』」の1日目を開催しました。この演奏会は、6月25日・7月30日の2日間、鎌倉で行われています。この記事では1日目の6月25日の様子をお伝えします。

会場の入り口の様子。緑がトンネルに!

建物の入り口の様子。

視線の先の緑に見とれてしまいますが、足元のタイルの配置も面白いですよ。

演奏時の装い
今日は灰色の袴に青緑の半幅帯。色無地は柔らかな卵色。

私の演奏場所は窓側、皆さんは私越しにお庭が見える形にしています。ここで平曲(平家琵琶の伴奏で平家物語を語るもの)の平家物語巻第九「木曽(木曾)最期」を語りました。

平家物語巻第九「木曽最期」あらすじ
最後の五騎にまで追い詰められた木曽義仲。義仲は残っていた女武者・巴に軍場からの離脱を強く促します。それでも立ち去らない巴。そこに現れた御田八郎師重を相手に巴は最後の軍を披露します。その後義仲の側に残ったのは今井四郎兼平。ともに討ち死にしようと言う義仲を兼平は涙を流しながら松原へ向かわせました。松原へ向かう義仲を背に兼平の最期の軍が始まります。義仲が自害するまでのわずかな時間を稼ぐ。兼平はただひとり名乗りを上げて矢をつがえます。

木曽義仲は振り返る
この小さな演奏会は、墨譜を読み解いて語っていきますが、古文で展開される登場人物たちの動きや言葉のやり取り、最期への勢いを妨げないように、途中で現代語訳を入れないようにしています。※冒頭であらすじを説明したあと、プリントで物語の現代語訳をご覧いただきながら聞く形にしています。

上述の本番音声一部では、巴が最後の軍を披露するところを語っています。この部分、平曲では節が付いていないので巴の戦いは聞き手側の想像力に委ねられます。恩田八郎師重をあっという間に制圧したあと、鎧を脱ぎ捨てて落ち行く巴の表情を想像すると、胸がぎゅっとするのは私だけでしょうか。平家物語は印象深い去り際が沢山ありますが、巴の去り際も悲しくて印象的です。本番時、義仲が巴に語りかける場面のときに江ノ電が走り抜けていきました。

今回の演奏会では演出の都合上、音で語れていないところがあります。それは「手塚太郎討死にす。別当落ちにけり。」その後の「木曽殿今井の四郎只主従二騎になって宣ひけるは」。この部分は今回節を付けずに語っています。また別の機会に全部語りたいと思っています。


語りも琵琶も反省点がない日はありませんが、平家物語が好きだと聞きにきてくださる方にお会いできるとすごく嬉しくなります。聞いてくださる方が居ること、演奏させていただける場所があること、ここまで物語を繋いでくださった様々な方が居ることを思うと、もっともっと勉強したいなと笑顔になります。ご来場いただきましたお客様、Garden&Spaceくるくるさん本日はありがとうございました。


次回も同じ内容で7月30日に開催します。

【開催概要】終了いたしました
木曽義仲は振り返る|平家琵琶で聞く平家物語|巻第九「木曽最期」
日程:7月30日(火)
時間:11:00~12:00  開場10:40
定員:6名
演目:平家物語巻第九「木曽最期」
タイプ:現代語訳と語り(現代語訳を入れながら平家琵琶の演奏と語り)
料金:2200円(税込)
お支払い:事前決済(予約サイトにてクレジットカード決済)


【会場】
Garden & Space くるくる
鎌倉市由比ガ浜2-7-12 江ノ電和田塚駅徒歩3分
江ノ電和田塚からの行き方を写真付きでご紹介します
https://morinorijapan.com/announcements/garden-and-space-kurukuru-accece
ガーデン&スペースくるくる
https://kurukuru2014.jimdofree.com/
会場へのアクセス
https://kurukuru2014.jimdofree.com/access/


会場でお会いできるのをお待ちしています。

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