今日は2024年11月24日(火)に行った小さな演奏会『最期の海、壇ノ浦。』の開催報告です。この演奏会は10月29日と11月24日の二日間、鎌倉の「Garden&Spaceくるくる」で行いました。
最期の海、壇ノ浦特集ページはこちら
https://morinorijapan.com/heike-tale-final-sea-dannoura
開催報告:
11月24日(火)『最期の海、壇ノ浦。』
ここを初めて訪れた頃と同じような入口の風景。11月下旬も緑が沢山!毎回トンネルに入るようで楽しかったです。
お客様の座る椅子も個性的。演奏会が始まる前に、見やすい位置を全員で調整しました。
『最期の海、壇ノ浦。』は、壇ノ浦合戦に纏わる五つの平曲(平家物語を平家琵琶の伴奏で語るもの)を一時間に凝縮してお届けしました。今年の私ができる限りの精一杯を込めた一時間。多くの学びを得ることができました。
「平家物語でいちばん好きな話は?」と聞かれると、ひとつには絞りきれません。でも、いちばんをいくつも挙げてもいいなら(この時点でおかしいですが)『能登殿最期』です。味方であれば頼もしく、敵であれば絶対に遭遇したくない能登殿。『能登殿最期』を語るときは、義経を取り逃がす場面で一緒に悔しがり、最期の一戦を前に大音声を張り上げるところでは能登殿の代わりに雄叫びを上げ、安芸の太郎次郎たちの首を一緒に締め上げ、飛び込む能登殿を見送る。そんなふうに、物語の中に入ったつもりで語っています。
物語の中で能登殿は「我と思はん者共は寄つて教経組んで生捕にせよ。鎌倉へ下り兵衛佐にあふてもの一言葉云はんと思ふなり。寄れや寄れ。」と言っているので、鎌倉での演奏会はまるで能登殿が居てくださるようで、虎の威を借る狐ならぬ小鼠にはとても頼もしかったです。
構成の都合で語れなかった場面もいくつかありましたが、そのおかげで全体が引き締まった部分もあります。平曲をそのまま聞く演奏会の構成については、今後も課題として取り組んでいきます。そして、師匠から学んでいる語りをこれからも大切に励み続けます。
会場のオーナーさん、今年も本当にありがとうございました。そして、お越しくださった皆さまにも心より感謝申し上げます。どうぞお身体を大切にお過ごしください。またお会いできる日を楽しみにしています。
2025年の小さな演奏会は、大磯鴫立庵(おおいそしぎたつあん)から始まります。ご都合がよろしければ、ぜひ足をお運びいただければ幸いです。
詳細はこちらから↓
https://morinorijapan.com/lecture-and-performance/20250102