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※音量にご注意ください
今日は2024年8月27日(火)に行った小さな演奏会「那智の沖にて」の開催報告です。この演奏会は8月27日と9月24日の二日間、横浜で行っています。
9月24日の演奏会案内ページはこちら
https://morinorijapan.com/lecture-and-performance/20240924
開催報告:
8月27日(火)那智の沖にて
寝ながら聞く演奏会
今回の会場は今年3月~5月の横浜トリエンナーレ応援プログラムでお世話になったkt.Spaceさん。普段はフィットネス等に使われることが多いゆったりとした広さのスタジオは、照明を落とすとグッと集中力が増す気がします。お隣がミュージックバーkt.Bearsさん(https://kt-bears.webnode.jp/)なので、この会場も音がよく響きます。
今回の装い
薄藤の色無地、鉄紺の半幅帯、生成の袴
それぞれの旅立ちの物語
那智の沖で描かれる現世の苦しみからの解放と精神的な昇華ということで、今回の演奏会「那智の沖にて」は平曲『横笛』と『維盛入水』を語っています。平家物語は『横笛』と『維盛入水』の間に三つの物語『高野巻』『維盛出家』『熊野参詣』があるのですが、学びの都合上今は語れない物語があるので今回は二つの物語で構成しました。
平曲(平家琵琶の伴奏で平家物語を語るもの)の『維盛入水』は維盛が入水する前に滝口入道が教えを説く場面がとても印象的です。平家琵琶を持って語っていると教えを説く言葉は口に出しているうちに、自分が滝口入道に教えを説かれているような気持になったり、従者になって見守るような気持になったり、滝口入道になって維盛に語っているような気持ちになったり。様々な気持ちが押し寄せて不思議です。平家物語は視点が目まぐるしく切り替わるので、自分はどの場所から物語を見るかで様々な気付きが生まれるかもしれません。
那智の沖をめぐる平家物語は私が平家琵琶を迎えるときに学んでいたものなので、私にとっての旅立ちの曲でもあります。今後学びが深まったら「那智の沖にてー熊野参詣編」というように、構成する平曲の内容を変てみたいと思います。
kt.Spaceさん、木曽義仲は振り返るに引き続いてご来場くださったお客様、今回もありがとうございました。
音声:
平曲『横笛』より
音量にご注意ください
時間:4分28秒
録音:2024年8月27日 本番
会場の音をそのままにしているため、お聞き苦しい箇所があります。
語り(演奏会の構成上口説を素声で語っています)
横笛この由を伝へ聞いて、我をこそ捨てめ様をさへ変へける事の恨めしさよ。たとへ世をば背くともなどかはかくと知らせざるべき尋ねて今一度恨みばやと思ひ、ある暮れ方にひそかに内裏をば紛れ出でて嵯峨の方へぞ憧れける。比は二月十日余りの事なれば梅津の里の春風に余所の匂ひも懐かしう。
あらすじ:
平家物語巻第十
『横笛』『維盛入水』
平家物語巻第十『横笛』あらすじ
平維盛は都に残した家族への想いが募り、平家一門が居る屋島を密かに抜け出しました。ですが、都に上って捕らわれてはならないと葛藤し、高野山へと向かいます。そこにはかつて愛した女性、横笛に想いを寄せながらも、家族の反対に遭い仏道へと進んだ滝口入道(斎藤滝口時頼)がいました。
『横笛』現代語訳全あらすじ
https://morinorijapan.com/tale-of-the-heike/yokobue-nachinookinite
平家物語巻第十『維盛入水』あらすじ
熊野三山を参詣した平維盛達は、海へと進みます。入水を前に家族への思いに苛まれる維盛の様子を見た滝口入道は、涙をぬぐい平常心を装って維盛を説きます。未練を断ち切り、悟りの道を選ぶ維盛の最期が描かれます。
『維盛入水』現代語訳全あらすじ
https://morinorijapan.com/tale-of-the-heike/koremorijusui-nachinookinite
次回:
開催日時案内
日程:2024年9月24日(火)
時間:13:00~14:00 開場12:40
定員:6名
演目:平家物語巻第十「横笛」「維盛入水」
タイプ:演奏会(冒頭に短い現代語訳解説後、演奏を聞く。)
※この会場では靴を脱いでお入りください。ヨガマットをご用意しています。
料金:2200円(税込)
お支払い:事前決済(予約サイトにてクレジットカード決済)
お申込み期限:2024年9月23日(月)
お申込みはこちら:https://select-type.com/ev/?ev=toxi6BQDJCE
【会場】
kt.Space
神奈川県横浜市 中区相生町1-15 第二東商ビルB1階
ブルーライン 関内駅 徒歩7分
みなとみらい線 日本大通り駅 徒歩5分
※大きい道路側 <ほっともっと> を正面にして左側に入口があります。
※細い路地にも入口がありますがそちらからは出入りできませんのでご注意ください。
さあ、那智の沖へ一緒に行ってみませんか。
会場でお会いできるのを楽しみにしています。